中古住宅の問題やらあれこれ

2019.12.14 UPDATE 中古住宅の問題やらあれこれ

(写真は、大阪の南堀江にあったD&DEPARTMENTのカフェです。今は閉店になってしまいました。)


インターネットで繋がっている外国の友人は、「日本は中古住宅が叩き売りされている現状が信じられない」と言います。英語圏だと新築よりも中古住宅の方が高いし、新築なんて選択肢はあまり考えられないと言います。そもそも、中古住宅という言い方が、何か良くないものを売ってるという潜入感を与える、とのこと。


たしかに。。。

それもあって、うちでは中古住宅と言う表現はできるだけ避けるようにしてます。「一戸建て」とか「戸建物件」とか。



話を戻します。この話題の場合は、中古住宅と書いた方が分かりやすいので、あえて「中古」と書きますね。日本で中古住宅が流通しづらいのは、色々な理由があると思います。


・魅力のある中古住宅が少ない
それを言っちゃーおしまいよ、という感じですが、日本には魅力のある中古住宅が少ないです。新築時、コストを抑えるために、プラスティックを多用した新建材が多く使われているため、経年変化によって味わいが出てくる家が少ないのです。また、新築にお金をかけたり、クルマの維持にお金をかけたりする割には、家の維持にお金をかけないのも特徴。またDIYする習慣がある人が少ない、家に対して工業製品並みの施工レベルを要求する人が多い、ので、日常的に家をメンテナンスする習慣が無いことも影響しています。


・家の作り方が短期間に変わってしまった
昔の家は暑い夏を耐えるために建てられていました。1980年代まではエアコンは贅沢品で、家族が集まるリビングに1台あるか無いか。夏はそこまで暑く無かったので、夜にエアコンでつけっぱなしで寝る、ということは考えられなくて、扇風機をつけて寝る程度でした。そんな時代の家は、通気性重視。断熱なんて必要ありません。冬は断熱が無い隙間風の多い8畳程度の小さなリビングに集まって、ストーブ1台、全員が炬燵に入って暖をとっていたのです。それもあって、食堂と居間を分けたり、大きなリビングを作らない間取りが多かったのでしょうね。
今は、夏がエアコンが無いと耐えられない暑さに変わってしまい、床下にも壁にも断熱を入れて、夏も冬もエアコンや暖房器具の効果が高い家じゃ無いと過ごしづらくなってしまいました。
また窓は、1990年代まではシングルガラスが一般的。でも今はペアガラスと言って、ガラスが2枚あるものが一般的。断熱性能は、1枚と2枚では段違いです。でも、こちらの方は、インプラスという商品で比較的簡単に二重窓にできる商品が出てきたので解決できるようになりました。


・古い物件を内覧すると、その見た目の古さに流されてしまう
中古住宅は、築年数が経っていると中身も外も汚いことが多いです。リノベーションをすることが前提で、予算もそこそこあるから、後からナンボでも綺麗にすることができることが分かっていても、見た目の雰囲気に流されていしまいます。柱の状態なんか分からないのに、建具(中の扉)の調子が悪いだけで「もうこの家は住めない」と決めつけてしまう人もいらっしゃいます。私もそう思ってたから人のこと言えません。家が傾いていても、引き家をして傾きを修復することもできます。でもお金はかかります。今のご時世、ここが問題ですよね。


うちで、新築やリノベーションをした物件は、基本的に経年変化を楽しめるものを目指しています。うちも築11年経ちましたが、壁のペンキを塗って、補修を少々すれば、まだまだ住み継げそうな感じ。杉のフローリングはキズもついてますが、それも味になってますし、色が飴色になっていい雰囲気になっています。

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