地理屋さんとして物件を見てみると

2019.07.02 UPDATE 地理屋さんとして物件を見てみると

※和気の洋館は、無事に契約に至りました。ご検討いただいたみなさん、ありがとうございました。



私、大学時代は地理学を専攻していました。大学を卒業して製薬会社に就職したので、まったく何も役に立たないと思っていたのですが、紆余曲折あって不動産屋さんになったら、あれっ?なんか役に立つ気がする、と思って早12年。
少し地理学の知識も交えながら、和気の洋館の物件を解説しますね。

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ご存知、和気町にある洋館です。築100年を超えています。大正期に建てられて、色々な歴史を見てきた建物。
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場所は、こちら。和気駅から10分ほどの場所。元々の和気の街は、物件の北西あたり。曽根というのが、この辺りの字名です。
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物件の北側は山になっています。この山は山腹崩壊区域に指定されています。
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そして、物件のある土地は、土砂災害警戒区域にも指定されています。これだけ見ると、ちょっと悲しくなってくる人もいるかもしれません。
でも、安心してください。人は山の裾に昔から住んできたんです。山で薪を拾ったりして、山の恵みを享受するためにも、山裾に住んできたのです。ここは、山の南斜面。住むのに、一番最適な場所です。
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この写真は、1960年代の航空写真。南側の道路から下は、全部田んぼです。ここの字名(集落の名前)は、曽根といいます。

曽根で検索すると、「河川氾濫があった場所、またその結果自然堤防が形成された場所など。」と言う結果が出てきます。ここは、吉井川と金剛川が合流する場所で、洪水に悩まされた場所である可能性が高いです。曽根の集落は、1960年代、この道路よりも北にしか家が無かったんですね。

この物件も、この道路より北にありますので、比較的洪水の被害はマシな場所です。そしてこういう場所は、比較的地盤も良いことが多いです。だから、この洋館は100年経っても、建具の狂いもなく建ち続けることができた、と言えると思います。

所有者さんが言うには、昭和30年代に床下浸水があった経験があるとのことです。
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今では、前面道路の南側にも沢山建物が立ち並んでしまいました。堤防が決壊したときは、おそらく標高の低い南側から浸水が始まるでしょう。また、地震が起こったときは、地盤の悪い場所ほど、被害が大きくなります。

こちらの和気の洋館は、北側の土砂崩れは多少気になるけれども、洪水や地盤を考えると、なかなかいい場所に建っていることが分かります。

興味のある方は、ぜひお問合せくださいね。

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